やっと春の気配が感じられるようになった、と思ったら、東亜大学大学院法学専攻に4人のボカボ受講生が合格したという知らせが入った(3/8現在)。まだ、連絡してきてない受講生もいるので、5名前後は合格していることになる。合格者50名の10分の1をボカボ出身者が占めているわけだ。すごいね。そして、おめでとうございます!
東亜大学大学院の「法学専攻」は、税理士になるための学校で、規定の単位を取ると、税理士試験のうち、税法二科目が免除になる。三科目のうち二科目免除になるとすると、負担は大きく軽減するので、この頃大人気なのだ。
ただ、ここの問題はけっこう面食らう。いかにも商法という感じの文面なのだが、末尾には、しっかりと「なお、この問題は知識を問うものではなく、読解力、考察力、文章力などを試すものです」という但し書きがある。
たいていの受験生は、そんなところを読まないから、「あっ、これは商法を勉強すればいいんだ! 税理士になるための学校だから、当然だよな」と思って、入門書を読んで「準備は万全だ」と思い込み、あえなく爆沈する。
世の中の問題を、出来合いの知識だけで押し切ろうとすると、たいてい失敗する。学校や教育で知識を教えるのは、それが思考のモデルになるからであって、知識そのものを覚えるためではない。だが、ほとんどの人は「自分の思考」までたどり着かずに、知識の使い回しだけで何とかしようとして失敗する。教育の目的を取り違えているのだから、当然だよね。
たしかに、企業の仕事は、自分で考えず、ひたすら上司の命令を聞いて頑張る構造になっている。実際、大企業に入っても仕事は過酷だ。新人は、朝六時に起きて、八時までには会社に行き、昼飯を食べる暇も無く、夜十二時まで仕事、なんて例がごく普通だという。「労働基準法」なんて無きに等しいし、ましてや「自分の時間」など取れっこない。できることなら、独立独歩で生活をしていけたら、と思うのは当然だろう。
しかし、企業と関係なく、Independentでやっていこうとすると、時間も自由だけど、逆に、誰もやり方を教えてくれない。仕事のやり方から客の見つけ方から、全部自分で考えて判断しなきゃならない。商法や税法の知識は、自分の判断を的確にするための道具にすぎない。「資格」を取ることは目的ではなく、出発点にすぎないのだ。司法試験など難関の試験を通った人でも、すぐに仕事ができるわけではないのは、当然のことなのだ。それなのに「資格さえ取れば」と思う人が相変わらず多いのは、困ったことだと思う。
その意味では、東亜大学の問題は意地悪なようでいて、実は知的な体力が大事だよ、とメッセージを出している点で「正しい出題」だと思う。来年度に、ここの学校を受験する人は、そのつもりでじっくりと「考える力」を養って欲しい。
そういえば、ときどき「御社の添削サービスを受ければ必ず受かりますか?」なんて、情けないことを言う人がいるが、そういう人頼みを言う人は必ず落ちる。ボカボが提供している添削は最高のクオリティだけど、それを使って、考える力を伸ばすのは受講生の努力なのだ。準備時間を十分にとって、着実に練習していって欲しい。実際、「これだけではいけない」と「MBA&社会人入試」個別対応コースを何回か着実にこなした人が受かっている。
そういえば、司法試験でも、今年もボカボ出身の合格者がたくさん出ました。Sさん、Kさん、法曹としてのご活躍を期待していますよ。それに、たとえ何かトラブルが起こっても、たくさん頼める弁護士がいて心強い(笑)。皆さん、頑張って欲しい。そのためのサポートなら、ボカボはいくらでもお手伝いします!
0 件のコメント:
コメントを投稿