クラスをしばし小休止している間に「夏のセミナー」の受講者たちから、次々と合格速報が来ました。中央大学法科大学院、早稲田大学法科大学院、龍谷大学法科大学院、明治大学法科大学院エトセトラエトセトラ。いろいろあって、すべて発表できないのが残念。うーむ、今年も悪くない。どころか、かなり良い成績です。
そんなことを思っていたら「司法試験合格しました」というメールもやって来ました。明治大学法科大学院の卒業生。彼女はWEB講座を受講していたけど、自他ともに認める適性試験成績不振組。でも明治大学法科大学院の社会人枠(未修)なら「適性試験の点数より、提出書類・小論文を重視する」というので、何とか完璧な提出書類・小論文を書きたいというので、ボカボに来たのです。
ご存知のように、ボカボの添削では、文章を書いてあげるなんて不届きなことはしません。しかし、受講者自身が書いた文章をじっくりと読み、そのどこが不十分か、どこに可能性があるか見極め、「ここの部分を再考したらどうか?」とアドバイスする。
これは我々の文章観に基づくものです。文章は自己表現ではない。むしろ、文章は対話です。自分の言ったこと「…は…です」という主張に対して、周囲から「なぜ、そうなのか?」「くわしく言うと、どうなるか?」「具体的には、何があるか?」などのツッコミが出てくる。それに対して「なぜなら、…からです」「詳しく言うと、…です」「たとえば、…です」と応答していく。そうすると、自分の言った主張に対して、根拠を出すことになる。これは論理的文章の構造と一致するのです。
これは、志望理由書などでも同じこと。「自分は…をやりたい」と志望を書く。すると、「なぜ、そうなのか?」「くわしく言うと、どうなるか?」「具体的には、何があるか?」などのツッコミが出てくる。それに自分の体験を絡めて、丁寧に答えていけばいい。そうすれば、自ずと「分かりやすい文章になる」のです。
「君はなぜ法曹になりたいのか?」自分のやりたいことの根本を巡って対話するのが志望理由書。「この(社会)問題に対して、君はどう判断するのか?」を書くのが小論文。どちらも同じ種類の文章なのだけど、日本人はこういう対話が苦手ですね。個人攻撃かとうろたえて、しどろもどろになったり、逆ギレしたり、つっこまれても冷静に対話をしていくスキルに欠けている。小学校以来の訓練が欠けているとしか思えない。
その訓練を徹底的にやるのがボカボ方式。最初のドラフトを出すと赤字だらけになって返ってくる。「問題意識が不明確」「意味不明の表現」「論理がつながっていない」「体験との結びつきが弱い」「結論がいい加減」。指摘することは山のようにあります。
そもそも現代の若い人(という言い方はやや一般的に過ぎますが…)は、気がやさしくて、他の人の気持ちを思いやることでは、年上世代よりずっとすぐれています。(私に言わせると、バブル世代・高齢者の方が身勝手)。それだけに、周囲で「よい言葉」として流通するステレオタイプの表現をそのまま使うという行動に慣れすぎて、自分の意志を表明する言葉が使えない。
それを具体的に指摘されることで「え、こんなに自分は言葉をいい加減に使っていたのか?」とはじめて自覚する。それから「自分なりの言葉を見つける」までが大変です。何せ、今までそういう風に言葉を使っていなかったのですから。結構苦しむわけ。おそらく生涯ではじめて、そういう言葉遣いにぶつかる。何回も提出し「ここがまだダメ」と指摘され「それではどんな表現がよりよいか?」と自分の語彙の中をさまよって悩む。
こういう体験を通して、はじめて「自分が何を望んでいたか?」に到達するのです。だから、志望理由書のドラフトが完成した暁には「これこそ自分の言いたかったことだ!」とほとんどが達成感に浸る。いわば、ボカボは言葉の誕生を助ける産婆役なわけです。
上述の彼女は、そのプロセスに見事に耐えた。時間もなかったので、次々にドラフトや答案が送られてくる。それを次々に添削して返す。すると、さらにそれを書き直して…。5回も繰り返すと、見違えるほどよくなる。本人は、最後まで不安だったようだけど、力は自然に付いてくる。
きっと、ここでやったことはロースクールに行っても役だったのではないかな、と思います。「何もかも、全ては吉岡先生のステートメント添削で法科大学院に合格できたことから始まっているので、感謝の気持ちでいっぱいです。これから修習に行って、小六からの夢だった弁護士になります」
いやあ、これからも大変でしょうけど、この人ならきっと出来る、と私は思います。頑張ってね。日本は、放射能でバタバタしているけど、その中でも一つずつ積み重ねたことは、必ず成果になっている。そういうものです。
さて、10月からは「法科大学院 小論文 Start & Follow Up!」が始まります。夏の私立がイマイチだった人、来年名門を受験したい人、どちらもぜひ来てみてください。きっと「目から鱗」の連続だと思う。自分の不明にまず気づく。それがすべての始まりです。来年受験の人は「法科大学院 適性試験 Start Up!」もお勧め。
そんなことを思っていたら「司法試験合格しました」というメールもやって来ました。明治大学法科大学院の卒業生。彼女はWEB講座を受講していたけど、自他ともに認める適性試験成績不振組。でも明治大学法科大学院の社会人枠(未修)なら「適性試験の点数より、提出書類・小論文を重視する」というので、何とか完璧な提出書類・小論文を書きたいというので、ボカボに来たのです。
ご存知のように、ボカボの添削では、文章を書いてあげるなんて不届きなことはしません。しかし、受講者自身が書いた文章をじっくりと読み、そのどこが不十分か、どこに可能性があるか見極め、「ここの部分を再考したらどうか?」とアドバイスする。
これは我々の文章観に基づくものです。文章は自己表現ではない。むしろ、文章は対話です。自分の言ったこと「…は…です」という主張に対して、周囲から「なぜ、そうなのか?」「くわしく言うと、どうなるか?」「具体的には、何があるか?」などのツッコミが出てくる。それに対して「なぜなら、…からです」「詳しく言うと、…です」「たとえば、…です」と応答していく。そうすると、自分の言った主張に対して、根拠を出すことになる。これは論理的文章の構造と一致するのです。
これは、志望理由書などでも同じこと。「自分は…をやりたい」と志望を書く。すると、「なぜ、そうなのか?」「くわしく言うと、どうなるか?」「具体的には、何があるか?」などのツッコミが出てくる。それに自分の体験を絡めて、丁寧に答えていけばいい。そうすれば、自ずと「分かりやすい文章になる」のです。
「君はなぜ法曹になりたいのか?」自分のやりたいことの根本を巡って対話するのが志望理由書。「この(社会)問題に対して、君はどう判断するのか?」を書くのが小論文。どちらも同じ種類の文章なのだけど、日本人はこういう対話が苦手ですね。個人攻撃かとうろたえて、しどろもどろになったり、逆ギレしたり、つっこまれても冷静に対話をしていくスキルに欠けている。小学校以来の訓練が欠けているとしか思えない。
その訓練を徹底的にやるのがボカボ方式。最初のドラフトを出すと赤字だらけになって返ってくる。「問題意識が不明確」「意味不明の表現」「論理がつながっていない」「体験との結びつきが弱い」「結論がいい加減」。指摘することは山のようにあります。
そもそも現代の若い人(という言い方はやや一般的に過ぎますが…)は、気がやさしくて、他の人の気持ちを思いやることでは、年上世代よりずっとすぐれています。(私に言わせると、バブル世代・高齢者の方が身勝手)。それだけに、周囲で「よい言葉」として流通するステレオタイプの表現をそのまま使うという行動に慣れすぎて、自分の意志を表明する言葉が使えない。
それを具体的に指摘されることで「え、こんなに自分は言葉をいい加減に使っていたのか?」とはじめて自覚する。それから「自分なりの言葉を見つける」までが大変です。何せ、今までそういう風に言葉を使っていなかったのですから。結構苦しむわけ。おそらく生涯ではじめて、そういう言葉遣いにぶつかる。何回も提出し「ここがまだダメ」と指摘され「それではどんな表現がよりよいか?」と自分の語彙の中をさまよって悩む。
こういう体験を通して、はじめて「自分が何を望んでいたか?」に到達するのです。だから、志望理由書のドラフトが完成した暁には「これこそ自分の言いたかったことだ!」とほとんどが達成感に浸る。いわば、ボカボは言葉の誕生を助ける産婆役なわけです。
上述の彼女は、そのプロセスに見事に耐えた。時間もなかったので、次々にドラフトや答案が送られてくる。それを次々に添削して返す。すると、さらにそれを書き直して…。5回も繰り返すと、見違えるほどよくなる。本人は、最後まで不安だったようだけど、力は自然に付いてくる。
きっと、ここでやったことはロースクールに行っても役だったのではないかな、と思います。「何もかも、全ては吉岡先生のステートメント添削で法科大学院に合格できたことから始まっているので、感謝の気持ちでいっぱいです。これから修習に行って、小六からの夢だった弁護士になります」
いやあ、これからも大変でしょうけど、この人ならきっと出来る、と私は思います。頑張ってね。日本は、放射能でバタバタしているけど、その中でも一つずつ積み重ねたことは、必ず成果になっている。そういうものです。
さて、10月からは「法科大学院 小論文 Start & Follow Up!」が始まります。夏の私立がイマイチだった人、来年名門を受験したい人、どちらもぜひ来てみてください。きっと「目から鱗」の連続だと思う。自分の不明にまず気づく。それがすべての始まりです。来年受験の人は「法科大学院 適性試験 Start Up!」もお勧め。
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