2019年6月27日木曜日

夏のセミナーについて

「夏のセミナー」開催まで後一ヶ月になりました。これは、8月の土日4時間を使って、法科大学院入試で課される小論文を徹底演習する講座で、毎年たくさんの合格者が出ています。

今年は、久しぶりに法科大学院志望者が増えています。WEB添削受講者は例年の50%増し、「夏のセミナー」への問い合わせも増えています。

一方、卒業生情報では、去年から司法試験の傾向が変わってきた、と聞きました。判例の適用ではなく「文中の説に反対する学説をあえて構成する」というタイプの問題が目立ってきたのだとか。この手の問題は、ロースクールでは以前から行われていました。たとえば、東大ローでは「スポーツでのドーピングをあえて肯定する主張を書け」という問題が出ています。

だんだん、日本でもロースクールが目指した「メソッド」が定着してきたのかもしれません。人間は権威や仲間の圧力に弱い。しかし、それだけで主張を決めず、議論による吟味のみによって主張を決める。その訓練が日本ではほとんどされず、真理は情報の多寡で決まると勘違いして、考えることから逃げまくってきたのです。

それを変えようとしたのが、当初のロースクールの理想でした。自分で考え、他者と議論しつつ、真理に向かって物事をクリアにする。 数よりも議論にしたがうように訓練することでした。そういう理想と司法試験が徐々に一致してきたのかもしれません。

ボカボに来る人は、ほとんどが「考えることが楽しくなった!」と言います。ここでも、ソクラテスの「議論による吟味」というプロセスが、きっときちんと行われているからでしょうね。これは大学入試用の「夏のプチゼミ」も同じで、高校生だからといって手抜きはしません。


今年の「夏のセミナー」「夏のプチゼミ」も刺激的な講座になるはずです。同輩と議論を戦わせ、それによって真理に近づくプロセスを体験して、試験にのぞんでほしいと思います。

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