2025年1月9日木曜日

激動の年に向けてのご挨拶

 2025年あけましておめでとうございます!

世界も日本も激動が続いています。しかも、その進行は破滅的で、安易な希望を持ちにくい時代のように見えます。

実際、日本の状況はかなりまずい。少子化はますます進み、ここ数年で毎年の出生数は30%も落ちました。かつて、医療事故を恐れて医者が現場を去る「立ち去り型サボタージュ」が行われたように、子どもを生むこと自体がリスクと考えられるようになっているのかもしれません。

経済も30年も成長はできず、かつて60%もあった国内消費は50%に落ち込みました。韓国などと違って日本は内需の国」と言われたのに、今では国内を不景気にしてでも、輸出を振興する「飢餓輸出」に陥っています。活性化のため「インバウンド」も期待されていますが、観光が経済に占める割合は1%にもないのに、それ以外の希望がない。「ものづくり」なんて言葉もすでに死語と化して、日本は「微笑みとゴミの国」と化しています。

日本を取り巻く状況も予断を許しません。トランプ次期米大統領は、カナダを併合し、グリーンランドを買い取り、パナマ運河をアメリカのものにすると言い出しました。拒否する場合は軍事行動に訴えるらしい。

これは19世紀の「棍棒外交」です。そもそも、なぜ米国領にすべきか、という正当化もなく、ただ「きっとこれらの地域の人々もアメリカになると嬉しいはずだ」と言い、それにおもねったFOXのキャスターは「カナダ人は併合を望まないけど、我々の帝国主義的心情を満足させねばならない」とコメントしました。その野蛮さは、歴史が150年ほど後戻りして、19世紀の「棍棒外交」が復活したかのようです。

きっと、今年は、あちこちで戦争・紛争が起こり、中東では限定的核戦争が始まるでしょう。それどころか、米国中西部と東部・太平洋側西部との間で内戦になる、という専門家さえいます。妙な妄想のおかげで「地球最後の日」になるのは避けたいですが、今のところ、我々は直接どうにもできません。

こんな中、個人でできるのは、少しでも体力と智力をつけて、このむちゃくちゃな流れに、少しでも「棹さして」自分たちの安心できる居場所を確保することでしょう。

「学歴/教育なんか何の役にも立たない」などという言説が、世の中には溢れていますが、現実が激動し、あらゆる人が他の人を騙しても利益を得ようとするからこそ、自分たちの進むべき方向を間違いなく見通すためには、思考力と論理力と知識力の徹底的な養成が必要です。

子どもたちに「何のために勉強するの?」と言われた時には「世の中には、あなたたちを騙して金品を巻き上げようとする人たちがたくさん居る。彼らの甘い言葉に乗せられないように、自分の知識と判断力を高めなければならないからだよ」というと、一生懸命勉強し始めるとか。

ただし、これらの能力は教師から教えられたことを記憶するだけでは身につきません。教えられたことを元に、さまざまな状況に応用して、自分で仮説を考えて、その見通しを持って決断する。他人から言われたことをそのまま鵜呑みにせず、自分で考える。そんな訓練を積み重ねなければなりません。

日本の人は従順なので、初等教育などで教えられたことを記憶するのは得意ですが、高等教育で求められる、自分で考えて妥当な見解を導き出すことは比較的苦手と言われています。ボカボは、専門領域に拘らず、この能力を涵養することを目指して設立しましたし、その役目は20年以上にわたってずっと果たしてきています。

その成果は、歴代の「合格者再現答案」でも見る事が出来ます。年末にかけて、一時期、リンクが外れていたときもありましたが、復活させましたので、ぜひご覧下さい。

今年も、はや法科大学院やMBA、あるいは医学系・心理系などの大学院や大学を目指す人々が集まり始めています。これから、どんな方々がボカボに集まり、ボカボの助力を得て、どのくらい、それぞれの力を伸ばしていけるのか、我々もその成長をイメージしてドキドキしています。

今年も、よろしくお願いいたします!